フェリーができるまで

その9-進水式

三菱重工業(株)下関造船所の進水式は、船から支綱と呼ばれるロープを1本伸ばし、これにシャンパンを繋ぎます。
このロープを切るとシャンパンが船首にあたって割れ、船が巌流島の方向へ進水して行きます。
実際は、進水前準備としてブロック建造中の船体をささえていた盤木から、進水台(固定台)上の進水用鋼製ボール約6000個が使用されている滑走台に船の全重量をあずけ、トリガー呼ばれる船体滑り止め装置で船が滑らないように固定しておきます。
支綱が切断されると同時にこのトリガーがはずされ、進水台上を滑走台が滑り出し、同造船所の吹奏楽部が “軍艦マーチ” 演奏する中、くす玉がはじけ、汽笛を鳴らして船が進水する仕組みです。
同造船所では、船台から巌流島までの距離が約330mしかないため、進水後は、タグボート及び水中ドラグ(チェーン玉)使用により船を制動し、タグボートにより安全に岸壁へと曳航します。