フェリーができるまで

その12-海上公試運転

船舶建造の最終段階で海上公試運転が実施されます。海上公試運転は、船の性能が定められたルールを満足しているか、発注者との契約で定められた性能であるかを確認するのが目的です。
この契約で定められた性能の代表的なものに保証速力があります。もし、保証速力をクリアできなかった場合は、ペナルティーの対象となり、場合によっては契約の解除になります。 本船の契約の場合、「定められた載貨重量以上、造船所の定める適当なトリム、フィンスタビライザー格納状態、主機関最大出力、海上静穏状態にて」、試運転速力23.0ノットが保証速力になっており、この速力を無事にクリアしました。その他の主な試験内容として、旋回試験、操縦性試験、船体振動及び騒音計測、ウインドラスの能力試験、操舵装置及び航海計器のテスト等が行われますが、本船は、旅客船ですので振動及び騒音計測も重要な試験項目のひとつです。
本船の海上公試運転は、平成24年7月24日~26日にかけて山口県下関市の北西に浮かぶ蓋井島沖で実施されました。これに合わせて、航空写真の撮影も行われ、上記写真は、その時の様子です。今回の海上公試運転には、造船所スタッフ、各エンジンメーカー、船主及び国の検査官等関係者約80が乗船し、性能の確認を行いました。
本船は、これから最終艤装工事を行い、9月中旬に船主に引き渡されます。